映画の話 - Blindness(ブラインドネス)

2008 日本・ブラジル・カナダ 合作
Miramax Films / Focus Features
フェルナンド・メイレレス 監督
ジュリアン・ムーア 主演

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脚本が素晴らしい!!

観てるそばから心揺さぶられ
胃がシクシクしてくるのが良く分かる
観終わった後もずいぶん「残る」作品

ここ最近で観た中でベストと言える
とても素晴らしい作品


物語は
大混雑の交差点
青信号になっても進まない車が一台
クラクションが鳴り響く中
その運転手(伊勢谷友介)は
突発的に失明してしまった

心優しい人に家まで送られ
眼科医に診てもらうが原因は不明

その後
診察を担当した眼科医までも
失明してしまう

何故か眼科医の妻は失明を免れた

政府はその伝染病を防ぐため
失明患者たちを集め隔離し始めた

その中には
失明していると偽った彼女も含まれていた…



冒頭でも書いたが
脚本が恐ろしく素晴らしい

発想はすぐに浮かびそうなネタだが
一人だけ見える人間を忍び込ませるなんて
なかなか思いつかない!!


自分以外の人間が盲人(ブラインドネス)で
自分だけ目が見えたら…
一体どんな気持ちなるんだろう

この映画では
それが上手く描かれている

そんなタフでは居られないだろうw
というツッコミは野暮だ

脚本も素晴らしいが
中でも撮影・照明が際立っている

何もないかなぁ~と歩いていったら
机にぶつかってしまう(突然机が現れる)
あたりは素晴らしい発想だ

明るさと暗さの対比も絶妙
盲人の「眼」が上手く表現されている

盲人の方々の日々の生活の大変さ・辛さ・苦労
そしてその方々をサポートする方の大変さ・辛さ・苦労が
同時に実感できる


忘れてならないのが音楽

視野が遮られている分
五感
特に耳が研ぎ澄まされていく

何かを引きずる音
人の声
呼吸

発砲音
金属音
泣き声
叫び声
男に襲われる女性の声
悲しみに満ちた無言の「声」

これでもかこれでもかと
人間の闇の部分(特に愚かな男性のだ)を
見せ付けられる


観ていて非常に辛く
胃がシメつけられる



後半
恵みの雨の一緒に降り注ぐ
暖かい音楽
がそれを救ってくれる

この音楽がなかったら
胃潰瘍で入院してしまっていたかもしれない


ラストは
名優ダニー・グローヴァーが全部持っていく

非常に心に残る
素晴らしいエンディング


ちょっとした神様のイタズラにより
人間はリセットされ再認識し生まれ変わるのだろう

タイトルも
逆説的に掛かっていて非常に上手い


最初から最後まで
脚本・撮影・演技・音楽・照明
すべて完璧!


まだ観ていない方は
是非とも観て欲しい
超オススメ映画だ

このなんとも言えない気持ちを
一緒に共有して欲しい


「耳」を研ぎ澄ませ「観」るべし


日本人俳優(伊勢谷友介・木村佳乃)が
頑張っているのも嬉しい
しかも初めから最後まで出ずっぱり

日本人を代表する
かっちょ良さと
綺麗さを魅せてくれている



コメント

  1. コメントが意味ふwww

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  2. ζ*‘ー‘メだんごひよこ
    ガムかんで歯が抜けたってゆうからびっくりしたら被せてるのが取れただけだったらしい・・・

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