本の話 - 大江健三郎「死者の奢り・飼育」

1957 新潮社
大江 健三郎 先生

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正直情けない…

何故こんなスゲェ作品を
いままで知らなかったんだろう


こんなギラギラした作品を
30代半ばまで完全スルー
してきた
(ってか知らなかったw)

情けない!


表題作である
「死者の奢り」「飼育」はもちろんスゴイが
他収録作品
「他人の足」「人間の羊」「不意の唖」「戦いの今日」
そのほぼすべてが凄まじいレベル

心臓をスプーンで抉られてるかのような作品群



音楽に例えると…
文体からして「質の良いロック」?

そんなどころの騒ぎではない

丁寧な文章の下に潜んでいる負の感情の洪水!
むき出しハードコアそのもの!


処女作でここまでの作品群を
サラっと書いてしまう先生の力量!
(しかも東京大学在学中にだ!)

当然のごとく翌年の1958年に
「飼育」で芥川賞を受賞(当時最年少)している


収録作品の中でも
「他人の足」「人間の羊」にはヤラれた

「他人の足」
閉鎖した空間に新しい風が吹き荒れ
そしてその風が止む瞬間の空間の温度

終わり方がとても印象深い

「人間の羊」
主人公が陥るちょっとしたイヤな出来事が
思わぬ展開に広がっていく…

空気の読めない人間の純粋な正義感が
どれだけ人を傷つけるのか…
その正義感が真逆のモノへ変わっていく様
そしてそれに付きまとわれる主人公の2重3重の悪夢

こっちまで胃が痛くなってくること必至だ

他の作品も
頭をブッ飛ばされるような衝撃を持った作品だ


もっと早く
大江健三郎先生に出会いたかった


これほどの衝撃を与えてくれる作品は久しぶりだ

今まで読めなかった分
一気に取り返したい
しばらく大江先生ブームが続きそう

まだ読んでない人居たら
かなりオススメ作品


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