2004 角川書店
貴志 祐介 先生
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前作「青い炎」から4年半ぶり
本格長編ミステリー
あの傑作「黒い家」「ISOLA」に比べると
「青い炎」はやや残念だったが
今作はどうだろうか…
まず
出だしの犯行当日の描き方
これが良くない
いわゆる密室殺人モノで
沢山の怪しい仕掛け・アイテム・選択肢を散りばめてくるが
やや広げ過ぎに感じる
特に「猿」には
かなりの無理がある
そのほとんどが中盤で拾われ
いい具合に読者を惑わせるどころか
しらけさせるような展開となっているのが残念だ
後半から
犯人を描いているが
これもやや弱い
高度で細かい犯行を実行出来るような
バックグランド・動機とは到底結びつかない生い立ちで
感情移入はまったく出来ない
本書の唯一の救いは
防犯コンサルタント「榎本」だろう
謎の部分・働きっぷりともにカッコ良く
なかなかのキャラクターだ
正義漢丸出しの女弁護士との絡みも面白い
この二人でシリーズ化出来るはず
是非とも読んでみたい
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