映画の話 - 山田洋次「同胞(はらから)」

1975 松竹
山田 洋次 監督

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「家族」「故郷」
なかなか上手くいかなかった
(とオイラは思ってる)
山田監督ドキュメンタリータッチ作品だが
この作品でやっと花開いたと言える

岩手の人か?
と間違うくらい自然な俳優陣の名演と
北岩手の大自然に囲まれ
なかなかの仕上がりを見せている


いつものように
山田洋次監督得意のパターン
影の主役は大自然だ

監督の映画を観るたび
日本という国は本当に良い国だと
再確認させてくれる

効果的に
広大な八幡平・岩手山・田園風景
それぞれの四季を上手く組み込んでくる


内容は
岩手の小さな村の青年会に
とある劇団がミュージカルを主催して欲しいと依頼がくる
果たして青年団はその公演を主催出来るのか…

いきなり来て
「うちらの演劇を見てくれ! ただし65万円掛かるけどなw」と言う
なかなか考えられない展開だが調べてみると
劇中に出てくる「統一劇場」
当時からそのようなスタイルで全国を回っているらしく
現在も名前を変え分裂しながらも活動しているそうな

青年団内の恋愛や
農家の後継ぎ問題
都会へのあこがれなど
劇中の「ミュージカル」と上手くリンクさせ
盛り上げていく

ダメ押しとも言える
主題歌「ふるさと」でヤラレてしまう

思わず口付さんでしまうほどの破壊力
ここで涙腺が決壊する人が多いだろう


俳優陣と言うと
主役は倍賞千恵子演ずる
劇団の営業・河野秀子だが
今回に限って主役は
頼りない青年会会長役の
寺尾聡だ

今にも壊れてしまいそうな
危うい心を上手く演じている

もちろん
脇を固める俳優陣も磐石だ

頑固な苦労人の兄貴役
井川比佐志もさすがの演技

さらに
都会に憧れる岩手の田舎娘・市毛良枝!
ほっぺたをつっつきたくなるくらい
めちゃくちゃカワイイ!

若々しい凛とした
岡本茉利の声も素晴らしい

その中でも
ド田舎のゴーゴー喫茶?の店主
忠治役の赤塚真人が
抜群の助演を見せてくれている

忘れてはいけない
山田監督と言えば渥美清!
もちろん客演している


山田組総出演と相成ったこの映画
「男はつらいよ」シリーズの忙しい合間に
これほどまでのドキュメンタリーを完成させた
監督はスゴイ!
(1975年はこの映画で3本目)

この2年後には「幸せの黄色いハンカチ」
そしてその3年後には
最高傑作「遙かなる山の呼び声」を完成させる

山田監督の脂が乗りまくっている
スタートの作品とも言えよう


一つ苦言を呈すと言えば
この映画の3年前に
「故郷(ふるさと)」とタイトルの作品を
撮ってしまっているが
この作品こそ
そのタイトルに相応しいと断言したい!


さぁ
倍賞千恵子姐さんと一緒に
口付さみながら新しい旅に出掛けよう

ふる~さと~ふるさと~♪


コメント

  1. ジャミロウは多趣味でいいな
    2chでも人気者だわ

    リクエスト。神社の巫女さんの普段がみたいなあ
    ブログに写真とコメント書いて貰えると嬉しい。

    返信削除
  2. 残念ながら
    神社の巫女さんは縁遠いゎ~
    申し訳ないw

    返信削除

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