映画の話 - Watchmen（ウォッチメン）

2009 アメリカ映画
ワーナー・ブラザーズ
ザック・スナイダー 監督

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２時間４２分の超大作だが
オープニング１０分で
この映画を選んで大正解と確信できた

素晴らしい導入部だけでなく全編通して
息を飲むような映像美
その映像にピッタリの音楽
（選曲がめちゃくちゃ上手い！）を約束しよう
最後まで一切ダレることはない


アメリカンコミック映画化作品であるが
以前紹介した「ダーク・ナイト（バットマン）」同様
ナメてたら返り討ちに会うくらい
完全大人向け（しかもある程度の見識が求められる）であり
とてもとても深い映画だ
（しかも「ダーク・ナイト」を超える深さだ）


内容は
「ウォッチメン」と呼ばれる人間でありながら
超人のような能力を持った人間が悪と戦っていた
（バットマンと近い設定）
しかしながらその超人能力をアメリカ政府は利用
ＪＦＫ暗殺・ベトナム戦争など
歴史的な出来事の裏でウォッチメン達が暗躍していた
徐々にソビエト・アメリカ両国間の核戦争の緊張が高まる中
ウォッチマン（だった）の一人が殺される事件が発生する…

上記のように
現代社会に超人が居たら…という設定だ

故に「ダーク・ナイト」とテーマが近く
正義・暴力・平和をとことん追求している


この作品を観るにあたって
とても的確な資料がある

以下 wiki より引用　---------

『ウォッチメン』のタイトルは
ユウェナリスの風刺詩第６歌
『女性への警告』からの抜粋に由来する
この引用訳が『ウォッチメン』に
込められた主題を暗示している

I hear always the admonishment of my friends:
"Bolt her in, and constrain her!"
But who will watch the watchmen?
The wife arranges accordingly, and begins with them

私は我が友の忠告を常に聞く
「彼女に閂を掛け、拘束せよ!」
しかし、誰が見張りを見張るのか？
妻は手筈を整えて、彼らと事を始める

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正義と言われる人間が暴走しないよう
それを見張る人間は必要ではないのか？
その見張ってる人間をさらに見張る人間も必要では？
さらにその…

もう…
果てしなく終わるコトはない
この世はすべて終わることのないジョークの連続とは
上手く言ったもんだ

劇中にも出てくる
皮肉１００％レア焼きジョークが心に刺さる


登場する６人のウォッチメン達は
現代社会の意見（正論であり矛盾でもある）そのものだ

あるものは世の中のすべてはジョークと嘆き
自分の快楽だけを追い求め
あるものは外道には容赦無く死を与え
あるものは大勢を救うために当然のように少数を見捨て
あるものは愛のためだけに生き
あるものはその愛に応え そして許し
あるものは世界滅亡しようとも
宇宙規模からすれば些細なことと平然と言ってのける

すべて正論であり
しかしながら一方では非道でもあるのだ

そのウォッチメンの中でも
ほとんど神に近い存在である男と
その神の存在に一番近づいた男との対比が面白い

その反目しあっていた二人の
最後の到着点が非常に興味深い

もちろんこの映画のオチも
まったく何も解決してない
気分爽快とは無縁のエンディングであり
終わらない宿題を出してくれる


思わず熱くなり
長文になってしまうほど見応え充分の作品で
アホアホ映画に飽きてきた方に
超オススメ映画だ

さぁ一緒に
終わらないその宿題に
とりかからないか？