1986 松竹
山田 洋次 監督
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熱心なファンとしては
寅さんファミリーの出番が少なく
やや物足りない作品かもしれない
しかしながら
志穂美悦子と長渕剛が結ばれるキッカケとなった
なかなか興味深い作品ではある
物語のメインは
上記二人の恋愛模様
そこで寅さんが二人の恋愛指南を~と思いきや!
寅さんの知らないところで一気に話が進んでしまう
(キッカケは寅さんではあるが…)
さすがJAC
志穂美悦子の男前っぷりがスゴイw
いきなりモトクロスバイクを颯爽と乗りこなして登場
ところがそんな骨太キャラとは裏腹に
大きなエクボが特徴の満面の笑顔がとても素敵だ
このがっちり女と
ヒョロヒョロヤサ男の長渕剛との対比も面白い
長渕剛の歌手とは思えないほどの演技力
「男はつらいよ」を観てるのを完全に忘れさせてくれるほどだ
忘れてはならない寅さんだが
一番の見所は57分あたり
寅さんのノリツッコミだろう
これほどの切れ味を持った
ノリツッコミは観たことがない!
正真正銘の本物のノリツッコミだ
しかしながら
その後のタコ社長が頂けない
(何故撮り直さなかったのだろう…)
その絶品の間を台無しにしてくれる
残念だ
美保純と寅さんの電話での掛け合い
テキ屋の相棒ポンシュウとの何気ない小ネタ
博コト前田吟の寂しい手酌
志穂美悦子のコスプレ出オチ
桜井センリのラーメン店主っぷりなど
細かいが見逃せない見所もかなり多い
もちろん山田監督
相変わらず日本の美しさを切り取ってくれている
萩の城下町や下関のお祭り・港
ちょっと寂れた筑豊の街並みが
古き良き日本の美しさを十二分に教えてくれる
ちょうど「キネマの天地」公開後に撮影していたのか
宣伝的なセリフ・歌や
主演だった有森也実なども出てきて
山田監督ファンはニヤニヤが止まらないだろう
豆知識だが
出川哲朗
エドはるみが
ちょい役で出ている
出川哲朗は
単独で映る場面もあり非常にわかりやすいが
エド・はるみは
声と後ろ姿で判断するしかない
(もし見付けられたらなかなかの寅さん通と言えるだろう)
長渕剛の演技が
完全に映画の空気感を変えてしまっているが
キャラに合ったヤサ男っぷりが
かなりの存在感を出している
この映画は彼のため映画と言えよう
寅さんシリーズでは異色の作品だが
なかなか面白い作品だ
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一点になるのが公園のシーン
子供が公園の水飲み場の水道を出しっぱなしにして
ドコかに行ってしまうシーンがあるのだが
これが一体何を意味するのだろうか…
山田監督に是非とも聞いてみたい
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