本の話 - 伊坂幸太郎他3人「しあわせなミステリー」

2012 宝島社
伊坂 幸太郎 先生
中山 七里 先生
柚月 裕子 先生
吉川 英梨 先生

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またまた
伊坂幸太郎先生目当てで
手にしたオムニバス短篇集

煽り文句は
大人気作家オール書き下ろし
「人の死なない」ミステリー
心に沁みるとっておきのアンソロジー


って訳で
表題「しあわせなミステリー」らしい

やはり巻頭は大人気作家伊坂先生
得意の殺し屋モノ「BEE」
を持ってきてくれた

腕はいいけれど妻に頭が上がらない殺し屋「兜」
一作目「AX」に続くシリーズの第二弾だ

話の中に
「マリアビートル」を思わせる下りがあり
思わずニヤリ
としてしまう

しかしながら
先生独特のあの世界にのめり込む前に
終わってしまった感があり
伊坂先生にしてはやや物足りない出来と言える

もちろんシリーズ一作目である
「AX」を読んでいないことも影響しているかも知れない
こんなことなら先に「AX」を読んでおくべきだった
失敗


ところが
嬉しい誤算が待ち受けていた!

巻頭の伊坂先生の消化不良を
完全に吹き飛ばしてくれた作品
柚月裕子先生作
検事・佐方貞人シリーズの短篇6話目
「心を掬う」が素晴らしい
のだ

シリーズ途中ではあるが(しかも初めましてだ)
展開・深み・奥行き良し
キャラも立っており
すぐに世界に入り込め
今回収録の4作品の中では
頭一つ飛び抜けてる


これはもう
柚月先生の他作品をチェックしなくてはならないだろう
これがあるからオムニバス短篇集は止められない~♪


他2作品は
勝気な女性が正義を振りかざす如何にもなファンタジー?モノ
ドタバタ無理矢理お涙頂戴エンターテイメントモノ
どちらもミステリーと言えない代物
オイラがもっとも毛嫌いするテイストであった

あの最悪の本屋大賞「謎解きは○。○ーのあとで」を思わせる
緊張感ゼロ・ご都合主義バリバリ作品

生意気にミステリー語るんじゃねぇ!!!!
っと言いたいところだが
この手のテイストが好きな方も居るであろうから
その方々にはオススメ
と言えよう

まぁこう言った部分も
オムニバス短篇集の(裏の)醍醐味だ


とりあえず
柚月裕子先生に出会わせてくれた
このオムニバス短篇集に感謝
したい


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