本の話 - 伊坂幸太郎他7人「あの日、君と Boys」

2012 集英社

伊坂 幸太郎 先生
井上 荒野 先生
奥田 英朗 先生
佐川 光晴 先生
中村 航 先生
西 加奈子 先生
柳 広司 先生
山本 幸久 先生

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伊坂幸太郎先生目当てで手に取った短篇集

震災後の伊坂先生に関して
少々戸惑いを感じていたが
そんな不安をブッ飛ばしてくれる
快作が収録
されていた


こんな伊坂幸太郎を待っていた!!

「逆ソクラテス」と言う先生らしいタイトルで
内容もここ最近では抜きん出た出来


短篇集の煽り文句は…

あの日、君との出会いで、僕の人生は少しだけ変わった。
不思議な聡明さで、教室に流れるいじめの空気を変えた君。
風変わりな振る舞いで、僕のコンプレックスをほんの少し溶かしてくれた君。
誰よりもがむしゃらに、夢を追いかけていた君―。
人気作家8人がこの一冊のために描いた、不器用で、ナイーブで、
ひたむきな「少年たち」の物語。
胸をわしづかみにする青春が、ぎゅっと詰まっています。

伊坂先生の他では
奥田英朗先生作「夏のアルバム」が素晴らしい

伊良部シリーズで有名な先生だが
今作ではシットリと泣かせてくれる
終わり方もシツコクなく上手い


非常に心に残る作品

初めて読む先生だったが
佐川光晴先生「四本のラケット」もなかなか

そのまま道徳の教科書に載ってもおかしくないような
まっとうな青春小説で読後も爽やかな気持ちが広がった

中村航先生「さよなら、ミネオ」に関しては
途中で「設定バレバレだよ~」と思わせといて最後にドテン!
まんまと騙されてしまった

なかなか上手い作品

少年時代のあのイヤな上下関係を思い起こさせてくれる
井上荒野先生「骨」もなかなか

西加奈子先生は
テーマから逸脱しすぎており
ちょっと頂けない

全部は取り上げられないが
伊坂幸太郎先生、奥田英朗先生の
強力な2作が収録されており
なかなか良質な短篇集と言えよう

オススメ

シリーズモノらしいので
他シリーズも読んでみたいと思う


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